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以下は動画の概要を記事風に説明したものです。詳細は是非動画をご覧ください。
はじめに:創業融資、決算書はこう見られている!
創業時の資金調達。多くの起業家が最初にぶつかるハードルですね。その中でも、日本政策金融公庫(通称:公庫)をはじめとする金融機関に提出する「決算書」は、まさに審査の“入口”です。
「何となく利益出ていればいいんでしょ?」
そう思っていませんか?
ズバリ言います。
決算書は“単なる結果報告書”ではなく、“事業の姿勢や管理能力を映す鏡”です。
この記事では、実際の金融機関の担当者がどのような視点で決算書を見ているのか、その現場の感覚を丁寧に解説していきます。まさに「融資を引き出すための決算書の読み方・整え方」の入門書となるはずです。
1.まずはPL(損益計算書)を見る:儲かっているかどうか
PL(Profit and Loss Statement)は、会社の成績表です。最初に見られるのは以下の3点。
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売上の推移(成長しているか)
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利益(黒字か赤字か)
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経費構造(何にお金を使っているか)
例えば、売上が年々右肩上がりなら、それだけで「前向きな成長性あり」と判断されます。
一方、営業利益がマイナス続きでは「資金繰り大丈夫かな?」とマイナス評価になりかねません。
役員報酬がやたらと少ないのに利益が大きい…そんな時は、「役員報酬を削って利益を操作している?」と疑われる場合もあるのです。正直な決算を出すことが第一歩です。
2.BS(貸借対照表)の見どころ:お金は残ってるか?
次に見られるのはBS(Balance Sheet)、つまり会社の“体力測定”です。
ズバリ言います。
実質の自己資本がプラスかマイナスか。ここが最大の注目ポイント。
たとえば、現金残高が月商の2ヶ月分以上あれば、健全なキャッシュ管理ができていると見なされます。
また、在庫の額や売掛金の回収状況なども、「ちゃんとコントロールできているか」という目線でチェックされます。
3.負債の中身を見る:借入と雑勘定は要注意
次にチェックされるのが負債の内訳。
特に注意されるのは以下の2つです。
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借入金の額と返済可能性
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雑勘定(仮払金、未払金、貸付金など)
担当者がよく言うのは、
「雑勘定が多い会社は、雑に扱われる」と。
貸付金に社長の名前がある、売掛金の中に明らかに回収不能なものがある…こういった“ごまかし”は即座に見抜かれます。
逆に、きちんと償却して整理されていれば、それだけで「この会社は管理できてるな」と評価が上がるのです。
4.月商を軸に「規模」と「バランス」を見る
月商(=1ヶ月の売上高)を基準に各数値を見ていくと、より実態が浮き彫りになります。
例えば…
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現金残高が月商の0.5ヶ月分しかない → 資金繰り不安
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在庫が月商の3ヶ月分ある → 回転効率が悪い
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借入金が月商の5ヶ月分 → 借りすぎの可能性
金融機関ではこのように「月商対比」で感覚的にスコアリングしています。
ここでのポイントは、「業種ごとに基準がある」ということ。
例えば卸業なら在庫が多くてもOKですが、ITサービス業で同じような在庫があると「ちょっと変だな」となります。
5.最終判断には「個人資産」も含めて
法人の決算書だけでは測れない要素もあります。それが経営者個人の資産や信用力です。
例えば、
「会社は設立間もないけれど、個人で2億円持っている」
というケースなら、役員報酬ゼロでも問題なしと判断される場合もあります。
逆に、
「役員報酬を300万円にしているのに、子供が私立医学部で学費が年間500万円」
など、個人支出が多すぎると「大丈夫?」と懸念されることもあるのです。
6.実務ではコンピュータで自動評価されることも
最近では、提出された決算書のデータをシステムに入力すると、業種ごとの標準指標と比較してスコアリングされるようになっています。
このスコアは、最大で11段階。業種やエリアにもよりますが、「人の目」と「機械の判断」が同時に行われるイメージです。
つまり、手入力ミスや雑な決算書は、ここでも減点対象となってしまうのです。
まとめ:金融機関が見る「決算書」の12のポイント
最後に、今日の話をギュッとまとめてみます。
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売上の伸び
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利益の有無
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役員報酬の適正性
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減価償却の有無
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支払利息の多寡
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現金残高(月商対比)
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実質自己資本の有無
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売掛金の月商対比
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在庫の月商対比
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固定資産の償却状況
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借入金・買掛金の規模とバランス
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雑勘定の有無(貸付金・未払金など)
このチェックポイントを意識して日頃の経理・財務を整えておくこと。それが、次の融資を引き出す“信頼”に繋がります。
終わりに:数字は「ウソをつかない」が「語らせ方」は大切
金融機関の担当者は、提出された決算書を見ただけで「この会社にはいくら貸せるな」と直感的に判断しています。
ですから、決算書は単なる“書類”ではなく、“融資を引き出すためのプレゼン資料”なのです。
いま一度、あなたの決算書を見直してみてください。
そこには、きっと“融資されるか否か”の答えが隠れているはずです。
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