
キャッシュアウトとは?起業前に必ず押さえておくべき資金流出の基本と対策
はじめに
「キャッシュアウトって何?なんだか怖そう…」
キャッシュフローの勉強を始めた会社員の方から、そんな声をよくいただきます。
ズバリ申し上げますと、「キャッシュアウト=お金が出ていくこと」です。言葉だけ聞くとネガティブな印象を受けるかもしれませんが、実は経営者にとっては「キャッシュアウトの管理」が非常に重要なんです。
一年後に起業を目指すあなたにとって、この“キャッシュアウト”という概念を正しく理解し、適切に管理する力を身につけておくことが、将来の資金繰りの安定、つまり“潰れない経営”に直結します。
本記事では、キャッシュアウトの基本から実務上の注意点、そして対策まで、実例を交えてわかりやすく解説いたします。
キャッシュアウトとは?ズバリ、お金が「出ていく」動きです
まず定義から押さえましょう。
キャッシュアウトの意味
キャッシュアウト(cash out)とは、会社のお金が外部に出ていく動きを指します。反対に、キャッシュが会社に入ってくることを「キャッシュイン」といいます。
- キャッシュイン:売上金の入金、借入金の受取りなど
- キャッシュアウト:仕入代金の支払い、家賃、給与の支払い、借入金の返済など
つまり、キャッシュアウトは「会社から出ていくすべてのお金」と考えてOKです。
起業家が意識すべきキャッシュアウトの種類
キャッシュアウトには、主に以下の3つのタイプがあります。
①営業活動によるキャッシュアウト
これは日常的な事業運営に関わる出費です。
- 商品や原材料の仕入れ
- 外注費
- 水道光熱費
- 通信費
- 交通費や交際費
これらは、売上に直結する重要な支出ですが、収支バランスを考えずに増やすと資金繰りが悪化します。
②投資活動によるキャッシュアウト
設備投資や新規出店など、未来の利益を見越した支出です。
- 店舗の内装工事費
- 機械の購入費
- ソフトウェアの導入費
- 保証金や敷金の支払い
これらは「一時的に大きなキャッシュアウトが発生する」ことが多く、要注意です。
③財務活動によるキャッシュアウト
借入金の返済や、資本金の払い戻しなどが該当します。
- 借入金の元本返済
- 株主への配当金支払い
意外と忘れがちですが、返済額が月額で重くなると、営業活動に使えるキャッシュが減る原因となります。
キャッシュアウトの“時期ズレ”に要注意!
ここが最重要ポイントです。
「売上が上がったのに、口座残高が減ってる!?」
これは、キャッシュインとキャッシュアウトの「タイミングのズレ」によって起こります。
たとえば、
- 商品を納品→月末締め→翌月末に入金
- 仕入れは現金払い or 翌月早々に支払い
こうなると、「売上があるのにお金が入ってこない」状態に。
このタイムラグが大きくなると、資金ショートを引き起こすリスクが高まるのです。
対策としては…
- 売掛金の回収サイト(入金タイミング)を早める
- 買掛金の支払いサイト(出金タイミング)を延ばす
- 適正な運転資金を確保しておく
などの工夫が必要です。
起業直後に多い“見落としキャッシュアウト”とは?
実際のご相談でも多いのが、「思っていたより出ていくお金が多い!」というケースです。
代表的な見落とし例を挙げておきましょう。
- 開業届提出後の税金(個人事業税・消費税など)
- 創業融資の返済開始(通常6か月後からスタート)
- 交際費・移動費の積み上がり
- 保険料・年会費など年払いの支出
キャッシュアウトは「見えにくい」「予想外に重い」ことがあるため、資金計画には“余白”を持たせておくのが鉄則です。
キャッシュアウトを抑える7つのコツ
- 固定費を最小化する(家賃、通信費など)
- 初期投資を抑える(レンタルや中古活用)
- クラウドサービスを活用し、必要最小限に
- 交際費・広告費は効果測定を徹底
- 売掛金の早期回収
- 支払い条件を交渉する(後払い、分割など)
- 利用頻度が少ない支出は年単位で見直す
無理な節約ではなく、「ムダを見つけて賢く使う」姿勢が大切です。
FAQ:キャッシュアウトについてのよくある質問
Q. キャッシュアウトと経費って同じ意味ですか?
A. 似ていますが、少し違います。キャッシュアウトは「現金の支出」全般を指しますが、経費は「損益計算上の費用」です。たとえば減価償却費は経費ですが、キャッシュアウトではありません。
Q. キャッシュフロー表はどうやって作ればいいですか?
A. 売上・入金予定と支出・支払予定を月別に一覧にする「資金繰り表」が基本です。エクセルでも簡単に作成できます。
Q. キャッシュアウトが多い月はどう乗り切れば?
A. 対策としては、①前月までに準備金を確保 ②支払いを分割・猶予交渉 ③一時的な短期借入(公庫のつなぎ資金など)があります。
まとめ:キャッシュアウトの理解は「潰れない経営」への第一歩
起業家にとって「お金が出ていく流れ」をきちんと把握し、コントロールする力は、売上を伸ばす力と同じくらい重要です。
キャッシュアウトが見えるようになれば、
- 予期せぬ資金ショートを防げる
- 無駄な支出を抑えられる
- 利益ではなく「手元に残るお金」で判断できる
ようになります。
ぜひこの記事をきっかけに、キャッシュアウトの管理にも目を向けてみてくださいね。何か困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。