おはようございます!本日、11/11日は「チンアナゴの日」です。すみだ水族館が2013年に制定。珍穴子(ちんあなご)の群れが巣穴から頭部を出している様子が「1111」に見えることから。
今回は、【連帯保証人について】の最終回です。今までは連帯保証人になった時の内容でしたが、経営者個人保証を求めないガイドラインも制定されていますので紹介します。
経営者保証ガイドラインは2014年2月にスタートしました。経営者ガイドラインは、経営者の個人保証について、
・一定の要件に当てはまれば個人保証を求めないこと。
・個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に一定の生活費を残すことや、華美で無い自宅に住み続けられることなどを検討すること。
・保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除する
などを定めることにより、経営者保証の弊害を解消し、経営者による思い切った事業展開や、早期の事業再生を勧める趣旨となっています。
経営者保証ガイドラインの構成は大きく2つに分けられており、1つは保証契約においてのガイドライン、2つ目は保証債務を整理する時の手続きです。今回は、保証契約においてのガイドラインをお伝えします。
主な内容は次の通りです。
・経営者保証に依存しない融資を銀行は促進すること。そのために融資手法のメニュー充実などをはかること。
・経営者保証なしで融資を受ける場合に必要な要件。
・経営者を保証人とする場合には、なぜそれが必要かを銀行は企業や保証人に説明すること。
・経営者を保証人とする場合は適切な保証金額の設定を行うこと。
・既存融資の保証契約についても見直しを検討すること。
・事業継承時の後継者と前経営者の保証について。
経営者保証ガイドラインで特に注目すべき点は、経営者が連帯保証人とならないで融資を受けるにはどのような状態が必要か、要件が明文化されていることです。
経営者保証ガイドラインにおいて、経営者が連帯保証人にならなくてよい要件として次の3つを提示しました。
①企業と経営者の関係の明確な分離
中小企業では、企業と経営者個人の資産の区別がつかなくなりがちです。例えば、経営者個人所有の土地に事務所などを建てて事業利用したり、経営者個人の私的な飲食代や旅費交通費を会社の経費で落としたりするなどです。経営者保証ガイドラインでは、企業と個人の間のやり取りは社会通念上適切な範囲を超えない体制の構築を求めています。具体的には次の通りです。
■企業の事業活動に必要な本社・工場・店舗・営業車等は企業所有とする。
■企業から経営者個人への貸し付けは原則行わないこと。
■経営者個人の私的な飲食代、旅費交通費などの費用は会社の経費としないこと。
②企業の業績や財務内容が良く、銀行への返済に懸念がないこと
銀行が経営者に連帯保証人となることを要求する理由の1つに、経営者個人の資産により、企業の信用力の弱さを補完するという意味合いがあります。経営者が連帯保証人とならなくても銀行が融資を行うには、それだけの信用力が企業にあることが求められます。企業の業績・財務内容が良く、銀行への返済に懸念がないことが、経営者保証なしで融資を受ける要件として求められています。
③企業の財務諸表が正確に把握でき、適時適切な情報開示が銀行にできて、経営の透明性が確保されていること
経営者保証ガイドラインでは、経営者が連帯保証人とならないためには、銀行に提出する決算書などの財務諸表が正しいものである事が証明され、経営の透明性が確保されていることを要件としています。
具体的には次のような対応が求められます。
■貸借対照表・損益計算書の提出だけでなく、勘定科目内訳書の提出。
■年に1回の本決算の報告に加え、試算表・資金繰り表などによる定期的な銀行への報告
以上3つが、経営者保証なしで融資を受けるために企業に求められる要件です。また、既存融資においても、これらの要件が銀行に対し経営者の保証を外す交渉を行う前提となります。
今現在は対象でなくとも、指標を理解しておくだけでも交渉を優位に進めることが可能になります。
銀行自ら企業に対し、経営者保証を外すことを勧めてくることは期待できません。銀行にとって経営者保証を外すメリットはないからです。経営者保証を外したいのであれば、企業側から積極的に交渉していくべきです。
弊社では、起業家・経営者をご支援できるよう多くの金融機関と連携しております。銀行選びはどうすれば良いか、融資についての相談をしたい、資金繰りで悩んでいるなど、各種専門家が課題解決を行っております。また、V-Spiritsグループでは、税理士・社労士・司法書士と勢揃いしておりますので、貴社の事業をワンストップで支援ができます!
無料相談もしておりますのでお気軽にお問い合わせください。