
「ブラックリスト入りってどういうこと?」─その正体、専門家がズバリ解説します
「私、もしかしてブラックリストに載ってるんでしょうか…?」
創業融資のご相談を受けていると、こんなご質問をよくいただきます。
テレビやネットでよく耳にする“ブラックリスト”という言葉。
なんとなく怖そうですよね。
でも、実はこれ、法律上・制度上の正式な名称ではないんです。
では、“ブラックリスト”とは一体何を指しているのでしょうか?
今回は、その仕組みや誤解されがちなポイントを、わかりやすく丁寧に解説いたします。
■ブラックリストとは、信用情報に「事故情報」が載っている状態
まずはっきりさせておきましょう。
ブラックリスト=信用情報機関に「事故情報(ネガティブ情報)」が登録されている状態を、
俗にそう呼んでいるにすぎません。
つまり、「どこかに“ブラックリスト”というリストが存在していて、
そこにあなたの名前が載る」というわけではないのです。
この「事故情報」があると、クレジットカードの審査や住宅ローン、
さらには創業融資などで不利になる可能性があるため、
「ブラックリスト=信用がない人」というイメージが広まってしまったのです。
■どんな情報が「事故情報」に該当するの?
具体的に、「事故情報」にはどんなものがあるのでしょうか?主に以下の5つが該当します。
① 長期延滞
ローンやクレジットの返済を、61日以上または3か月以上遅延しているケース。
② 債務整理
任意整理・個人再生・自己破産など、借金の整理手続きを行った場合。
③ 保証履行
保証会社が代位弁済をした、つまりあなたに代わって支払いを行った場合。
④ 強制解約
クレジットカードが利用停止・契約解除になったケース(延滞などが原因)。
⑤ 携帯電話の分割払いの未納
「スマホ料金を滞納しただけ」と思われがちですが、
端末代が分割払いの場合、実は“ローン”扱いになるため、
未納すると事故情報になります。
これらの情報は、CICやJICCなどの信用情報機関に記録され、
完済後も5年程度は残るのが一般的です。
■「ブラックリスト入り=一生ダメ」ではない!
ここで強調したいのは、
信用情報に傷がついたからといって、人生が終わるわけではないということ。
確かに、事故情報がある期間は、以下のような不利益を被ることがあります。
-
クレジットカードの新規申し込みができない
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ローンの審査に通りにくい
-
公庫の創業融資の審査が厳しくなる
しかし、多くの事故情報は5年程度で削除されます。
そして、削除された後は“新たな信用実績”を積み重ねることが可能になります。
■自分がブラックかどうか確認するには?
「自分がブラックリストに載っているのか分からない…」という方も多いと思います。
そんな時は、信用情報を“自分で取り寄せて”確認することができます。
信用情報を開示できる主な機関:
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CIC(株式会社シー・アイ・シー):クレジットカード・携帯端末の分割など
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JICC(日本信用情報機構):消費者金融、カードローンなど
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全国銀行個人信用情報センター(KSC):銀行のローン・住宅ローンなど
スマホ・郵送・窓口などで申し込みが可能で、
開示手数料は千円程度。
「信用情報の履歴書」とも言えるこの情報を一度確認しておけば、
不安もスッキリします。
■創業融資にも関係ある?
はい、ズバリ申し上げますと、公庫の創業融資でも信用情報は参考にされます。
創業融資を含む全ての融資審査で個人信用情報の確認が入ります。
事故情報があると、「返済能力に不安がある」と見なされてしまうリスクが高まります。
ただし、状況によっては「改善の意思と実績」が評価されることもありますので、
信用情報に不安がある方は、申請前に専門家にご相談されることをおすすめします。
■小さな一歩が、未来を変える第一歩に
「ブラックかもしれないから…」と一人で悩まず、まずは現状を知ることが、
再スタートへの近道です。
個人信用情報の読み取り方は難しいです。
ですが、専門家と一緒なら安心して進められます。
あなたの挑戦は、必ず誰かの応援を受けながら前に進めるはずです。
どうか一人で抱え込まず、気軽に声をかけてくださいね。
未来を変えるお手伝い、喜んでさせていただきます!
■おわりに──信用は「これから」積み重ねられる
“ブラックリスト”という言葉は、どうしてもネガティブに響きます。
でも、実際には、
-
情報は永遠に残るわけではない
-
状況を改善すれば、再びチャンスがある
-
自分で確認・対処できる手段がある
ということをご理解いただけたのではないでしょうか。
過去に少しつまずいたとしても、未来はいつでもやり直せます。
起業や資金調達という新たな挑戦を、あきらめないでくださいね。
もし「信用情報をどう見ればいいか分からない」
「創業融資に向けて何を準備すべきか知りたい」という方がいらっしゃいましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。