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コラム

返済不要な創業融資はあるのか?─「もらえるお金」と「借りるお金」の違いを知る

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返済不要な創業融資はあるのか?──「もらえるお金」と「借りるお金」の違いを知る

「創業したいけれど、借金はしたくない」「返済不要の資金があれば…」そんな思いをお持ちの方も多いのではないでしょうか。実はこのテーマ、起業前の方が非常に気にされるポイントです。今回は、「返済不要な創業融資はあるのか?」という疑問に対して、実務的な視点から丁寧に解説していきます。


そもそも“融資”とは?

まず基本的な整理から。「融資」とは、金融機関などからお金を借りることであり、あくまで「借りる=あとで返す」という前提に基づいています。ですので、厳密には「返済不要な融資」=存在しません。

ただし、「返済が実質的に軽くなる制度」や「返済不要の公的資金」といった選択肢はあります。以下では、それぞれの制度を具体的に見ていきましょう。


据置期間のある融資制度

例えば、日本政策金融公庫の創業融資制度では、「据置期間」というものが設けられています。これは、元本の返済を一定期間“待ってくれる”制度です。利息の支払いは必要ですが、元金を返済しない期間があることで、創業初期の資金繰りに大きな余裕が生まれます。

つまり「返済は必要だけれど、最初は返さなくてよい」。これが据置期間付き融資のメリットです。


資本性ローンという選択肢

もうひとつ、注目される制度が「資本性ローン」です。これは、融資でありながら、会計上は自己資本として見なされる特別なローンです。

  • 一定期間、元本の返済を猶予できる

  • 利息のみの支払いで済む場合もある

  • 財務状況が悪くても、金融機関からの信用を維持しやすい

ただし、こちらも最終的には元本の返済が必要。あくまで「柔軟な返済条件のある融資」と理解するのがポイントです。


真の「返済不要」は補助金・助成金

では、「返済不要の資金」は存在しないのでしょうか? 実はあります。それが補助金・助成金です。補助金や助成金は、一定の条件を満たせば、返済義務のない資金として受け取ることができます。

たとえば、

  • 創業に関する補助金

  • 小規模事業者持続化補助金

  • 雇用関係の厚生労働省系助成金

  • IT導入補助金 など

ただし注意点もあります。

  • 事前申請が必要(計画書など)

  • 審査がある(必ずもらえるわけではない)

  • 多くが「後払い制」なので、最初に立て替えが必要

つまり、「お金をもらえる」制度であっても、時間的・書類的コストは覚悟しなければいけないのです。


「補助金で全額賄える」と考えるのは危険!

ときどき、「全部補助金でもらえれば借金しなくていい!」という考えの方もいらっしゃいます。でも、補助金はあくまで経費の一部をカバーするものであり、事業全体を支えるには不十分な場合が多いです。

加えて、補助金は「後払い」なので、実際には先に出費が必要。ですから、最初の資金繰りとしては、やはり「融資」や「自己資金」が大切になります。


出資も返済不要の資金になる

少し番外編として、「出資(投資)」という方法もご紹介しておきましょう。これは、エンジェル投資家やVC(ベンチャーキャピタル)などが、あなたの会社に対して出資をするケースです。

  • 出資は返済不要(株式と引き換え)

  • 経営に口出しされる可能性あり

  • 成長志向のビジネスモデルが求められる

資金の自由度はありますが、「経営権の一部を譲る」ことになるため慎重に検討が必要です。


まとめ:融資と補助金・出資は“組み合わせ”がカギ

資金調達方法 返済義務 特徴
融資(創業融資) あり 据置期間あり、低金利の制度も
資本性ローン あり 金融上の評価は自己資本扱い、利息支払いのみ期間あり
補助金・助成金 なし 申請制・後払い・審査あり
出資(エンジェル等) なし 株式譲渡、経営参加の可能性あり

最終的に大切なのは「資金計画の設計」

創業時に重要なのは、「借りる・もらう・出してもらう」それぞれの特性を理解して、自分に合った資金調達プランを作ることです。

  • 無理のない返済スケジュール

  • キャッシュフローの安定

  • 信頼性と信用力の確保

  • 計画性のある補助金活用

「返済不要な資金=安心」ではなく、「適切な資金調達こそが安心」。その視点を持って、ぜひ納得のいく起業スタートを目指してくださいね。

資金調達のご相談は、お気軽にどうぞ。プロの視点から、あなたに合ったプランづくりをお手伝いします!


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弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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