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以下は動画の概要を記事風に説明したものです。詳細は是非動画をご覧ください。
「フマ経営」にならないために──ヒューマンエラーと重大事故を防ぐ経営の仕組みづくり
はじめに
帝国データバンクなどの倒産情報欄を見ていると、ときどき原因欄に書かれているのが**「不適切な経営(フマ経営)」**という言葉。
正直、経営者としては一番言われたくない烙印です。
しかし、その中身をよく見てみると、多くの経営者が**「一度はやってしまったことがある」**ような小さな判断や放置の積み重ねが原因になっています。
今回は、フマ経営の具体例と、それを未然に防ぐための仕組みづくりについてお話しします。
1. フマ経営とは何か?
フマ経営は法律で定義されている言葉ではありませんが、実務的には次のような状態を指します。
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管理しきれていない
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問題点に気づかない
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問題点に気づいても放置する
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その場しのぎで対応し、再発防止をしない
このどれか1つでも当てはまれば、フマ経営予備軍といえます。
耳が痛い…と思う経営者は少なくないはずです。
2. 労災事故から学ぶ予兆管理の重要性
私自身、社会保険労務士として労務管理に携わり、また建設業界で安全管理部門を経験してきました。
建設現場では、重大事故=企業生命を脅かす出来事であり、一度起これば「出禁」=発注停止になることも珍しくありません。
そのため、建設業界では事故を未然に防ぐノウハウが非常に洗練されています。
その中で有名なのがハインリッヒの法則です。
3. ハインリッヒの法則とは
ハインリッヒの法則によると、
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1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故がある
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さらにその背後には**300件のヒヤリ・ハット(ヒヤッとした、ハッとした出来事)**が存在する
つまり、重大事故は突然起こるのではなく、数百件の予兆の放置が積み重なった結果として発生します。
フマ経営とは、この予兆を拾わず放置することとほぼ同義です。
4. フマ経営が引き起こす企業リスク
重大事故は建設業界に限らず、どの業種でも致命傷になりえます。
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高額な賠償責任
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取引停止や契約解除
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ブランド・信用の喪失
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社員の士気低下・離職
何年もかけて積み上げてきた信頼や資産が、一瞬で崩れ去るリスクがあります。
5. 防止のための仕組みづくり
フマ経営を防ぐためには、「事故を起こさない」だけでは不十分です。
予兆や小さなミスを拾い上げ、再発防止につなげる仕組み化が必要です。
(1) ヒヤリ・ハットの報告体制
現場で起きたヒヤリ・ハットや軽微な事故を、必ず上に報告するルールをつくります。
現場でもみ消す、笑い話で終わらせる、といった文化は厳禁です。
航空業界の「重大インシデント報告制度」のように、記録・共有・改善の流れを整備します。
(2) 振り返りと原因究明
クレームや事故対応は、対応して終わりではなく、なぜ起きたのかを突き止めます。
表面的なリカバリーだけでなく、根本原因を潰すことが重要です。
(3) 情報の集約とサイレントクレーム対策
顧客からのクレームには、声に出してくれるものと、離れていくだけの「サイレントクレーム」があります。
後者は発見が難しいため、顧客アンケートや再購入率などの数値を定期的にチェックする仕組みをつくります。
(4) チェックリストの作成と更新
全業務についてチェックリストを作成し、セルフチェックと上司チェックの二重体制を導入します。
チェック漏れや新たなミスが発生した場合は、その都度リストを更新し、再発防止策を即反映します。
6. 幹部層の意識改革
社長だけでなく、幹部や現場リーダーも「重大事故は予兆の放置から生まれる」という意識を共有する必要があります。
この文化が根付くと、現場からの情報が上がりやすくなり、改善サイクルが回るようになります。
まとめ
フマ経営は、特別な失敗ではなく日常の小さな見落としや放置の積み重ねから始まります。
ハインリッヒの法則を意識し、仕組み化によって予兆を拾い上げることが、重大事故と倒産リスクを防ぐ第一歩です。
今日からでも、ヒヤリ・ハット報告体制、原因分析、チェックリスト運用を導入してみてください。
フマ経営から脱し、長く信頼される企業体質を築きましょう。
無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お待ちしております!
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