
折り込みチラシのメリット・デメリットってなに?
~アナログだけど侮れない、地域密着型マーケティングの実力~
「折り込みチラシって、今どきどうなんでしょうか?」
「WEB全盛のこの時代に、紙のチラシって効果あるんですか?」
起業家や個人事業主の方から、こんなご質問を受けることがあります。
確かに、SNSやネット広告が主流になっている今、紙媒体の広告は一見すると“時代遅れ”のようにも感じるかもしれません。ですが、ズバリ言います。地域密着型ビジネスであれば、折り込みチラシは今でも十分に“戦える手段”です!
もちろん、万能ではありません。どんな手法にも「メリット」と「デメリット」があります。今回は、折り込みチラシの特徴を正しく理解して、使いどころを見極めるためのポイントをお伝えいたします。
折り込みチラシって、どんな広告?
まずは簡単に仕組みの説明を。
折り込みチラシとは、新聞と一緒に配布される広告チラシのこと。地域別に配布先を指定できるため、特定のエリアに住む人々にピンポイントでアプローチできるのが最大の特徴です。
たとえば、飲食店、美容室、学習塾、不動産、整体院など、店舗型のビジネスには特に相性が良いとされています。
では、ここから本題に入りましょう。まずはメリットから。
【メリット①】“地域密着”が得意!
折り込みチラシの最大の強みは、「地域密着」です。
新聞は基本的に「世帯ごと」に配布されますから、「この町内・この区画に住んでいる家庭に、必ず届く」という安心感があります。近所に住む方々に向けて、「〇〇商店がオープンしました!」「△△クリニックで健康相談受付中!」といった“地元ならでは”のお知らせを届けるにはピッタリです。
WEB広告だと“近所の人”を絞り込むのが難しいこともあるため、「地元住民限定でPRしたい!」というニーズに応えるには最適な手段といえるでしょう。
【メリット②】視覚的インパクトが強い
紙のチラシには“物理的な存在感”があります。
新聞を開いたときに目に飛び込んでくるカラフルなチラシは、デジタル広告と違って“スクロールで飛ばされる”ことがありません。強制的に目に入る点も、実は大きな強み。
また、「家族全員の目に触れる」可能性があるのも特徴です。たとえば、主婦が見たチラシを、夫や子どもにも「ねぇ見てこれ、行ってみようよ」と見せてくれる。こんな“家族内回覧”の効果も期待できるのです。
【メリット③】ネットを使わない層にも届く
意外と見落としがちなのが、こちら。
「スマホをあまり使わない世代」や「WEB広告に慣れていない層」にもアプローチできるということ。特に、50代以上の方々には紙媒体の方が“信頼感”を持って見てもらえる傾向があります。
高齢者向けサービス、地域密着型クリニック、不動産、冠婚葬祭業などでは、今でも非常に有効です。
では次に、折り込みチラシのデメリットも正直にお伝えします。
【デメリット①】印刷・配布にコストがかかる
まず最初に気になるのが「費用」ですよね。これが最大のネックであり、壁です。
チラシ制作費に加え、印刷費、さらに新聞販売店への折り込み料金が発生します。1枚数円とはいえ、数千枚単位になると馬鹿になりません。
たとえば、B4カラー1万枚で印刷+折り込み配布を行うと、ウン10万円前後はかかることもあります。費用対効果を見極める必要があるのは間違いありません。
【デメリット②】若年層には届きにくい
現代では、新聞の購読率は年々下がっています。特に20代~30代では、新聞を読まない家庭が非常に多いです。
そのため、ターゲット層が若年層中心の場合、折り込みチラシは効果が限定的になる可能性があります。ターゲットの属性と手法の相性をしっかり検討することが大切です。
【デメリット③】効果測定がしにくい
WEB広告なら「何人が見て、何人がクリックして、何人が購入したか」といった効果が数値で可視化されます。
一方、折り込みチラシには、基本的に「反響の数」を正確に測る仕組みがありません。
「何枚まいたか」まではわかりますが、「何人が見てくれたか」は不明。だからこそ、チラシにクーポンや割引券、QRコードなどを入れて“反響測定の仕掛け”をしておくことが重要です。
上手な使い方のヒント
では、どんな場合に折り込みチラシを活用すると効果的なのか?少しだけ実務的なポイントを。
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新店舗オープン、リニューアル時
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地域イベントやキャンペーンの告知
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高齢者向けサービスや地域密着業の集客
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特定エリアに絞って短期的に集客したいとき
このようなケースでは、折り込みチラシがとても有効です。
また、「新聞折込」だけでなく、「ポスティング」との併用もおすすめ。配布形態の違いによって届く層が変わりますので、エリアと目的によって戦略を立てましょう。
最後に:使い方を間違えなければ、強力な武器になる!
折り込みチラシは、確かにデジタル時代においてはやや“古典的”な手法かもしれません。しかし、地域を絞って確実に情報を届けたいときには、いまなお強力なツールのひとつです。
起業したての方や、予算に限りがある方こそ、「費用対効果」を意識しながら戦略的に使ってみてくださいね。この手段は、費用対効果が全てだと言ってもいいでしょう。
使いどころを見誤らず、「誰に、何を、どのように伝えるか」をしっかり設計すれば、折り込みチラシはあなたのビジネスを後押ししてくれる“頼れる味方”になります。
さぁ、地域密着型マーケティング、はじめてみましょう!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。