融資を受ける際の運転資金について、「月商の何か月分を目安に借りればいいですか?」「借りれるだけ借りたいのですが、 月商の何倍が目安になりますか?」といった声を多く頂いています。
結論から言うと、運転資金として借りられる金額は、一般的には月商の3か月分が目安でしょう。創業融資の場合も同様に、3か月分が目安になるでしょう。
今回は運転資金の考え方や融資について、融資の専門家が詳しく解説します。
運転資金とは
資金のショートはなぜ起こる?最大の原因は「掛取引」
運転資金の融資の上限の目安は、「月商の3か月分」です
運転資金を調達できる金融機関
【無料相談可】融資や資金繰り、経営に関する相談は、弊社V-Spiritsまで!
運転資金とは
運転資金とは、会社を経営する上で毎月発生する費用のことです。水道光熱費や賃料、人件費、材料や商品の仕入れ費用など、様々な費用が含まれます。反対に、設備の購入や修繕、災害の復旧の費用など、突発的にかかった費用は運転資金には含まれません。
運転資金は、大きく「変動費」と「固定費」の2つに分けることができます。
〇変動費
月の営業実績や売上高に比例して発生する費用
(例)材料費・仕入費、外注費、消耗品費、運賃など
〇固定費
月の営業実績や売上高に関係なく、毎月発生する(売上がゼロでも発生する)費用
(例)人件費、家賃、リース代、広告宣伝費、管理費、保険料、減価償却費など
資金のショートはなぜ起こる?最大の原因は「掛取引」
会社では、先に商品を仕入れ、後で代金をまとめて支払う「掛取引」が一般的におこなわれています。そのため、「先に支出があって、後から収入がある」というパターンは非常に多いです。
運転資金に余裕がないと、入金より出金が多い期間が続いた時に支払ができなくなり、資金がショートしてしまいます。
本当は利益が出ているのに、手元にお金が入ってくるのが遅れてしまい、「黒字倒産」をしてしまうこともあります。
会社を経営するには、具体的にいつお金が出て行き、いつお金が入ってくるのか、「キャッシュフロー」を正確に把握し、運転資金に余裕を持たせておくことが重要です。
運転資金の融資の上限の目安は、「月商の3か月分」です
運転資金は設備資金とは異なり、明確な使途がありません。そのため、融資金額が大きくなりにくいのが特徴です。設備投資は将来的な見方ですが、運転資金では比較的近い時期の結果が求められます。
運転資金の性質上、経営の収支計画の内容と整合しているかどうか、妥当性があるかどうかがポイントになります。
運転資金の融資金額は、多くても「月商の3ヶ月分が限度」であることを知っておいてください。もちろん業種や業績によっては3か月分より多く借りられることもありますが、基本的には月の売上の3倍が目安です。
金融機関は、事業が軌道に乗るまでにかかる期間は、おおむね6ヶ月が目安であると考えています(もちろん業種によります)。この6ヶ月のうちに徐々に赤字が改善されるので、赤字の金額を通算すると、運転資金は月商の3ヶ月分くらいになるだろうという計算です。
ただし、利益がきちんと出ているのか?など、財務状況がしっかりしていることが大前提となります。決算内容が良かったり、収入が手元に入るまでの期間が長い業種だと、3か月分よりも多く借りれることもあります。一方で、赤字経営の場合は減額される場合もあります。とくに創業してから5年以内の企業は、まだ財務基盤がしっかりしていない時期なので、希望通りの融資額にならないこともあります。
創業融資を受ける場合も同様です。事業を6ヶ月以内に軌道に乗ることを前提に、創業時に借りられる運転資金の目安は3ヶ月分です。返済期間を極力長く取り、返済負担を減らすなどの対策をしておくとよいでしょう。
運転資金を調達できる金融機関
〇日本政策金融公庫(公庫)
これから起業する方や、まだ経営の実績がない方にも幅広く融資をしてくれるのが公庫です。公庫はとくに決算書を重視しますので、決算書の内容が良いと借入しやすいでしょう。
これから起業する方や、事業開始後、税務申告を2期終えていない方には、「新創業融資制度」がおすすめです。まだ決算書がない方や、まだ利益が小さい方であっても、合理性のあるきちんとした創業計画書があれば、融資を受けられる可能性が大いにあります。
〇信用金庫
信用金庫は地域の繁栄を目的に運営されているので、小規模事業者におすすめです。
〇地方銀行・都市銀行
比較的売上規模が大きい会社であれば、地方銀行や都市銀行で融資を検討するとよいでしょう。公庫や信用金庫と比べて、検討してもらえる融資金額も多いです。
【無料相談可】融資や資金繰り、経営に関する相談は、弊社V-Spiritsまで!
運転資金には明確な使途がないため、融資金額が大きくなりにくいのが特徴です。また融資を受けたあとに、すぐに資金繰りを改善できる状態かどうか、決算書などで財務状況も細かくチェックされます。
じつは、融資の審査にはコツがあり、合否に大きく影響します。弊社には経験豊富な融資の専門家が在籍しています。ほかにも弊社には補助金の専門家や税理士、中小企業診断士などが在籍しており、資金調達や経営に関するサポートもおこなっています(スポット対応可)。
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