審査が甘い融資ってあるの？起業準備中のあなたに伝えたい本当の話
こんにちは！ 将来の独立・起業を夢見ている会社員の皆さんへ。
今回は、「審査が甘い融資」というキーワードについて、実務家の視点からズバリお話ししたいと思います。
「創業融資を受けたいけど、審査が通るか心配……」「できるだけ審査がやさしいところを知りたい」
そんな不安を感じている方に向けて、創業時に活用できる融資制度、審査の通し方、そして本当に「甘い審査」なんてあるの？というテーマを、やさしく解説していきます。
そもそも「審査が甘い」とはどういう意味？
まず、誤解を解いておきたいのが「審査が甘い」という言葉の捉え方です。
融資において審査が“甘い”というのは、正確には「審査基準が比較的ゆるやか」「要件が厳しくない」といった意味合いです。
金融機関がいい加減に審査しているわけではありません。
では、どんな融資が「比較的審査が通りやすい」とされるのでしょうか？
創業時に通りやすい融資制度3選
1. 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」
ズバリ、創業時の資金調達として最も利用されている制度です。
- 無担保・無保証で借りられる
- 自己資金要件なし
- ２期以内の方であれば金利優遇あり
審査では「事業計画書」「自己資金の蓄積」「経験」が重視されます。
2. 地方自治体の「制度融資（信用保証協会付き）」
都道府県や市区町村が金融機関と連携し、信用保証協会が保証する仕組みです。
- 融資枠が広く、低利
- 地域によっては創業特例があり、審査が比較的通りやすい
自治体の創業支援センターと連携して進めると、安心です。
3. 小規模事業者持続化補助金（補助金だが資金源として）
補助金も資金調達の一部です。
- 申請書さえしっかり書けば通る可能性は高い
- 通れば返済不要！
審査が不安な方におすすめの対策
ここからが実務家のアドバイスです。 「審査に落ちない」ために、今から準備できることはたくさんあります！
1. 自己資金をしっかり用意する
最低でも総事業資金の10%以上、可能なら30%以上が理想です。
2. 信用情報を確認しておく
CICやJICCで「信用情報開示」をして、延滞などがないかチェックしましょう。
3. 事業計画書をプロ仕様にする
「見せ方」が9割。数字の整合性、根拠、収支バランスが重要です。
4. 面談対策を行う
公庫や金融機関の面談では「なぜこの事業をやりたいのか」「どう利益を出すのか」を語れるように準備しましょう。
「審査が甘い」をうたう業者には注意！
インターネット上で見かける「審査が甘い！即日融資可能！」という広告、ちょっと注意が必要です。
- 金利が高い
- 正規の登録業者でない可能性あり
- 最悪の場合、ヤミ金の可能性も
金融庁や都道府県に登録された正規業者かどうか、必ず確認を。
よくある質問（FAQ）
Q1. 日本政策金融公庫の審査は厳しいですか？
A. 銀行などに比べると比較的やさしいですが、事業計画と自己資金の裏付けが重要です。
Q2. 無職からの起業でも融資は通りますか？
A. 難易度は上がりますが、起業分野の経験や副業実績があると可能性が広がります。
Q3. 創業前にできる準備は？
A. 自己資金の蓄積、副業による実績作り、信用情報の整理が特に重要です。
Q4. クレジットカードの延滞が1回でもあるとダメ？
A. 一度の延滞で即アウトではありませんが、直近の履歴や回数、内容次第です。確認しておきましょう。
まとめ：審査が甘い、ではなく“通る準備”がすべて
「審査が甘い融資があればいいな……」と思う気持ちはよくわかります。
でも実際は、「通るための準備がきちんとできている人」こそが、スムーズに融資を受けられるのです。
だからこそ、今のうちに信用情報の確認、自己資金の蓄積、事業計画書の作り込みを始めましょう。
それが、未来のあなたを救うことにつながります。
わからないことがあれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。あなたの起業準備、全力でサポートします！
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この記事を書いた人
中野裕哲／Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授（起業論、ゼミ等）
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援！「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル（事業計画＋融資＋補助金＋会社設立支援）＋起業後の総合サポート（経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関）など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫／Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫（旧国民金融公庫）に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
