
いまさら聞けない「CV率(コンバージョン率)」ってなに?──成果を測り、改善へのステップを可視化する仕組み
「CV率(コンバージョン率)」という言葉、ネット関連の仕事ではよく耳にしますが、「実はよくわからない…」という方も多いでしょう。これは、サイトや広告を通じて、どれくらいの人が「成果」と呼べる行動につながったかを示す割合。つまり、数字として「施策の本当の効果」を測るための目印なのです。本記事では、CV率の基礎から実務的な改善方法まで、やさしく整理しています。
① CV率とは?まずはシンプルな定義と例
CV率(コンバージョン率) = 成約や資料請求など「目的の行動」をした人 ÷ 総アクセス数 × 100%
たとえばサイトへのアクセスが1000回、そのうち資料請求フォームから申込10件あれば、CV率は「1%」。
この一つの数字があるだけで、「広告に費用をかけて1000人に届けた、その結果10件を獲得できた」という施策の成果を測る根拠になります。
② CV(コンバージョン)にはどんな行動が含まれるの?
「成果」とは業種や目的によって異なります。代表的なCV例をいくつかご紹介します:
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ECサイト → 商品購入
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BtoBサイト → 資料請求や見積依頼
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店舗予約サイト → 来店予約や問い合わせ
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オンライン講座 → 無料トライアル申込やメルマガ登録
自社にとって「どの行動が成果なのか?」を明確に設定することがCV率理解の第一歩です。
③ 何のためにCV率を測るの?
A. 施策の“効果そのもの”を知るため
広告やサイトの文章、LPなどが本当に成果を生んでいるかを判断できます。
B. 改善ポイントが見つかる
アクセスは多いのにCVが少ないなら、導線や表現の改善が必要。逆にCV率が高いのにアクセスが少なければ、集客を強化すべき、という判断ができます。
C. 投資判断ができる
広告費100万円で30件のCVなら1件あたり3万3333円という計算ができ、投資効率をCPA(Cost per Acquisition)で把握できます。
④ CV率を改善するための基本ステップ
ステップ1:データを集める
Googleアナリティクス、広告管理画面、MAツールなどで「アクセス数」「成果件数」を記録します。
ステップ2:現状の数値を把握する
CV率をまず現状で確認。「業界平均(例:資料請求1〜3%、購入1〜5%など)」と比べて現状は高いか低いかをチェックします。
ステップ3:改善アイデアを出す
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導線改善:ボタンやリンクが見つけやすいか
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文章改善:読んで「なるほど」と思える内容か
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信頼強化:「お客様の声」や導入実績があるか
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フォーム簡素化:入力項目を減らし、入力しやすくしたか
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緊急感や限定性:「今だけ」「残りわずか」の訴求は有効
ステップ4:小さく改善して検証
ABテストや小さな文言変更、導線改善などを実施し、成果への影響を検証。数値の変化を見て効果を判断します。
⑤ 実際の改善事例
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ボタン色を変えただけでCV率+0.5%アップ
→ 見えやすく、クリック率が上がった例(例えば、黄緑色のボタンはCV率が上がるというデータがある!) -
フォーム項目を5→3へ削減しCV率2倍に
→ 諦めていたユーザーが進むようになった -
レビューをLPに追加しCV率1→1.5%へ改善
→ 信頼感向上が目に見える数字変化になった
⑥ CV率を支える視点と注意点
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単なる高CV率が良いわけではない
“質”も重要。たとえば、問い合わせ後キャンセルが多いなら、フォームではなくプロセスに問題があるかもしれません。 -
母数が少ないと変動しやすい
アクセス数が少ない状態では、たった数件でCV率が大きく変わるため、安定した判断は難しいです。 -
CVの定義を明確にすることが大切
同じサイト内でも「資料請求」「無料登録」「購入」では目的が異なるため、それぞれ別算定すべきです。 -
数字以外の質的視点も大事
アンケートやインタビューから「なぜ申込みしたか」を聞き、施策に活かすと次の改善がスムーズに進みます。
■まとめ:CV率は“施策の効果と改善に効く小さな目印”
CV率は、単なる数字以上に、何が効いて次に何を変えるべきかを導く羅針盤の役割があります。アクセスと成果の関係を可視化し、改善することで、より効率的で成果につながる仕組みが整います。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。