
はじめに:通帳と印鑑に、さようなら
こんにちは、中野です。
ズバリ言います。「銀行に行かなくても、経理業務はちゃんと回ります!」
多くの経営者さんが、いまだにこう言います。「取引先への振込のたびに銀行へ通っている」「記帳のために週1回は通帳を持って…」と。
ですが、今や多くの銀行が提供する「インターネットバンキング(=ネットバンキング)」を活用すれば、わざわざ窓口に行かなくても、ほとんどの銀行業務が自宅やオフィスで完結します。
今回は、「ネットは苦手…」という方でも安心して始められるように、インターネットバンキングの基本からメリット、セキュリティ対策まで、実務目線でじっくりご説明しますね。
第1章 インターネットバンキングとは何か?
インターネットバンキングとは、パソコンやスマートフォンを使って、銀行の取引(残高確認・振込・入出金履歴など)をいつでもできるサービスのことです。
今ではほぼすべての金融機関が対応しており、法人口座・個人口座の両方で利用できます。
利用できる主な機能:
- 残高照会
- 入出金明細の確認(CSVデータでダウンロード可)
- 振込・振替の実行(当日・予約)
- 複数口座の一元管理(グループ管理機能など)
- 口座振替や自動引落の設定
- 税金・公共料金の納付
つまり、銀行の窓口やATMでやっていた作業が、すべてパソコンやスマホでできるようになるということです。
第2章 インターネットバンキングのメリット
「わざわざネットにしなくても…」と思われる方へ、メリットをズバリご紹介します。
- 時間と手間の削減
銀行に行く時間、ATMでの待ち時間、通帳記帳の手間——これらすべてが不要になります。
たとえば、午前中の営業前にオフィスで振込処理が完了すれば、そのぶん本業に集中できますね。 - 経理処理のスピードアップ
入出金明細をCSVでダウンロードできるため、会計ソフトと連携すれば自動仕訳も可能に。手入力のミスも減り、経理がぐっと楽になります。 - キャッシュフローの見える化
リアルタイムで口座の状況を確認できるため、今月・来月の資金繰りも立てやすくなります。
第3章 実際の導入ステップ
「やってみたいけど、何から始めたらいいの?」という方へ、導入の流れをかんたんにご紹介します。
- 銀行に申込
まずは、普段使っている銀行の「法人向けインターネットバンキング」に申し込みます。書面提出が必要な場合もありますが、最近はWebで完結する銀行も増えています。 - ログイン情報・トークン受領
ログインID・パスワード、トークン(ワンタイムパスワード生成器)などが届きます。 - 初期設定
ログイン後、セキュリティ設定や口座の登録を行います。複数人で利用する場合、承認者や操作者の権限設定も可能です。 - 試しに振込してみる
まずは少額の振込から操作に慣れていくのがコツです。
第4章 セキュリティ対策が不安な方へ
「ネットは怖い」「振込ミスや情報漏洩が心配」という声もよくいただきます。
ですが、以下の対策をきちんとすれば、十分に安全に使うことができます。
- 銀行が発行する「トークン(ワンタイムパスワード)」を使う
- 操作専用のパソコンを用意する(業務専用に限定)
- パスワードは定期的に変更
- 二段階認証を必ず設定
- 「メール通知機能」で不正アクセスを即時チェック
- 万が一に備えて、振込限度額を低めに設定するのもおすすめです。
第5章 よくある誤解と注意点
「法人は手数料が高い?」
たしかに、法人用インターネットバンキングは月額利用料がかかることがあります(500〜2,000円程度)。ですが、振込手数料が安くなる・時間と人件費が減ることを考えれば、十分に元が取れる投資です。
「通帳が使えなくなる?」
いいえ。多くの銀行では、インターネットバンキングと通帳の併用が可能です。記帳もできます。
「会計処理と連携できる?」
はい。クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)と連携すれば、入出金データが自動で仕訳に反映されます。
FAQ:よくある質問
Q1. パソコンが苦手でも使えますか?
A1. 最近は操作画面がシンプルで直感的なものが多く、スマホアプリでも完結できます。慣れるとATMより早いという方も。
Q2. 複数人で使いたいけど、不正が心配…
A2. 権限管理ができる法人用サービスを選べば、「振込はスタッフが入力、最終承認は社長のみ」といった使い分けが可能です。
Q3. 銀行が倒産したら、ネットバンキングの情報はどうなる?
A3. 預金自体は「預金保険制度」で保護されます。また、取引データも定期的にバックアップを取っておけば安心です。
おわりに:経理のストレス、なくしていきませんか?
「インターネットバンキング」というと、「なんだか難しそう」「うちにはまだ早い」と感じる方も多いかもしれません。
ですが実際には、「こんなに簡単だったの?」と驚かれる方がほとんどです。経理や振込業務の負担が軽くなるだけでなく、経営の“見える化”が進み、資金管理がしやすくなるという副次的な効果もあります。
デジタルが苦手な方こそ、最初の一歩は小さくても構いません。信頼できる人や専門家に相談しながら、少しずつ慣れていきましょう。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。